- 自然に育てられたホタテ貝には、蛋白質、脂肪、カルシウム、ビタミン、糖質、鉄分、リンその他のミネラルなどたくさんの栄養成分が含まれています。
- 特に貝柱の主成分として蛋白質で、含有量は魚肉蛋白質標準量(20±2)に匹敵します。これは、たいら貝、はまぐりに比較しますと倍量多いということです。それに比べて脂肪量は非常に少なく、あっさりした味覚でうま味の多い貝と言えるでしょう。
- その他栄養効果の期待できる成分はビタミンB1とタウリンというアミノ酸です。ビタミンB1は「心臓と神経のビタミン」と呼ばれ、神経や心臓に影響力の大きなビタミンです。又、タウリンは、目や脳の発達を助け、その他コレステロール(LDLコレステロール、悪玉コレステロール)を減らす効果があり、血圧を下げる働きがあります。
- 蛋白質はプロテインスコア66で、あまり蛋白価は高くはないが低脂肪の食品で消化もよく動脈硬化防止にもつながるこれからの健康食品です。
- 貝柱
- 体の中で最も大きい器官です。普通の二枚貝は貝柱が二ヶ所ありますが、ホタテ貝の仲間は発生の初期には二ヶ所にあり、大きくなると一方が退化します。ホタテ貝が泳げるのはこの巨大な貝柱のおかげです。
- 生殖巣
- ホタテ貝の仲間は通常雌雄同体ですが、日本のホタテ貝は雌雄異体です。産卵期が近付く十二月から四月頃には大きく膨らみ、雄は白色、雌は赤色となります。
- 外套膜
- 通称ヒモと呼ばれ、貝殻を作る働きをしています。
- 眼
- 外套膜の上に黒く点在しています。レンズや網膜などがあり、高等動物に匹敵するほど発達していますが、実際は光を感じる事くらいしかできないようです。
- 鰓(エラ)
- 海水中から餌を取り込んだり、呼吸する働きをしています。
- 心臓
- ホタテ貝の心臓は二心房一心室からなり、動脈と静脈が通っています。血液は無色透明です。
- 中腸腺
- 通称ウロと呼ばれ、肝臓とすい臓の働きをしています。また、内部には胃があり、取り込まれた餌はこの胃で消化されます。
- ホタテの貝毒
- 陸奥湾のホタテ貝には、春~秋季、下痢性の貝毒が蓄積されることがあります。これは、貝類の餌となっているプランクトンが原因とされていますが、主に、ホタテ貝の中腸腺(上図参照)に蓄積されることから、中腸腺を除去すれば安全です。